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「そば」にこだわり新商品開発

「産経新聞」
平成13年(2001年)3月1日木曜日
14版13ページ経済面
−“中堅・ベンチャー/航跡”−
−「益田屋」−
−「そば」にこだわり新商品開発−

うどん文化の関西の中で、そばにこだわる製粉会社だ。若者を中心に「そば離れ」が続く現状に不安を持ち、そばを使ったアイスクリームやパスタなどアイデ
ア商品の開発に力を入れ、生き残りを図る。 戦前は現会長の益田昭一氏の母親が、神戸市で米穀商を営んでいたが、戦後の混乱期に知り合いのそば粉メー
カーが廃業。これをそのまま引き継いで昭和二十二年にそば製粉業としてスタート。三十八年には法人化を果たした。

機械工の経験をもつ益田会長は早くから製造工程の機械化に力を入れ、昭和四十年ごろには製造工程のシステム化を実現したという。「当時は小麦の製粉業者
で機械化の波が訪れていた時代。わたしも根が機械好きなので、改良に改良を重ねて今にいたっています」(益田会長)。

現在は、原料の選別から、そば皮の皮むき、粉砕、ふるいわけ、さらにそば粉のブレンド、袋詰めまでを一貫して機械で行っている。また、コスト高にはなる
がより品質の良い製品を提供するため、石うす式の製粉機も導入した。製造したそば粉は神戸を中心に大阪、奈良などに自社で配送しているほか、そば屋のど
んぷりものに使うコメも同時に供給している。

関西は関東に比べそばよりうどんを楽しむ人が多い。さらに食生活の洋風化が進み、そばが食卓に並ぶ機会が薄れつつあるのがそば製粉業者の悩みだ。同社で
も年々売り上げは減少しており、直近でも前年比五%減だった。そこで平成五年ごろから力を入れ始めたのが、「そばにこだわりつつも、そば屋以外の販路を
拡大する」こと。そばはゆがいて、つゆで食べるというイメージを打破するため、会長の娘さんの稔子さんを中心に、レストランなどに協力を呼びかけ、そば
商品の研究会などを続けている。

まず開発したのが「そば粉ロッケ」。当初は原料のほとんどをそば粉にしていたが、改良してジャガイモとタマネギを合わせ食べやすくした。ソースではな
く、和風のめんつゆに合うと居酒屋など関西の約二十店舗で採用された。そば粉とミルクを合わせた「そばのアイス」も好評で、パッケージに「愛す」と表記
し、ホワイトデーの三月十四日にはカップルに限定プレゼントも計画する力の入れようだ。

稔子さんは「新しいものを作らないと生き残れないが、その結果がいろいろな商品開発につながった。そばは血管を強くし、血圧抑制につながるルチンを含ん
でいる。ゆがくとルチンは流れてしまうが、コロッケやアイスにはそばの良さが残る」と話し、今後もそばに対する強いこだわりをもっていく考えだ。(筆
責:中川淳)
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